ARTIST

ART PROGRAMアートプログラム部門

佐藤允×谷原菜摘子×ユアサエボシ Ataru Sato×Natsuko Tanihara×Ebosi Yuasa
お化け屋敷

旧塩屋小学校の図書室を会場に、個性豊かな3人の画家による展示をおこないます。
過剰ともいえるような緻密な鉛筆の線描写や独特の筆致によって、オブセッション、恐怖、恋愛などを描く佐藤允は、年末の沖縄で1週間の滞在制作をおこない「こわい顔」を新作で描きあげます。
黒や赤のベルベットを支持体に「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」を描く谷原菜摘子は、現地滞在することで生まれた3メートルのパステル画を展示、沖縄の伝承であるニライカナイ(根の国)のような異郷の住人と、現世の人間の時間が交差する瞬間を表現します。
また、「大正生まれの架空の三流画家であるユアサヱボシ」として作品を制作するユアサエボシは、生前発表することのなかった春画をモチーフとしたシリーズを展示します。
3人の作品が一堂に集まる空間は、本展示企画のテーマ「お化け屋敷」と呼ぶにふさわしい、禍々しくもユーモラスさが散りばめられた刺激的な空間となります。

  • 佐藤允 Ataru Sato

    PROFILE

    1986年千葉県生まれ。2009年に京都造形芸術大学芸術学部情報デザイン学科先端アートコースを卒業、現在は東京を拠点に制作しています。 主なグループ展に「第8回光州ビエンナーレ」(2010)、「ヨコハマトリエンナーレ2011: OUR MAGIC HOURー世界はどこまで知ることができるか?ー」(2011)、「Inside」(パレ・ド・トーキョー、2014)、「堂島リバービエンナーレ2019」(2019)などがあります。作品は札幌宮の森美術館、高橋龍太郎コレクション、ルイ・ヴィトン・マルティエに収蔵されています。

  • 谷原菜摘子 Natsuko Tanihara

    PROFILE

    1989年埼玉県生まれ。2016年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了、2021年京都市立芸術大学美術研究科博士(後期)課程美術専攻(絵画)修了。
    2015年第7回絹谷幸二賞、2015年京展・京都市美術館賞、2016年VOCA奨励賞、2018年京都市芸術新人賞、2021年第39回京都府文化賞奨励賞、梅原賞(京都市立芸術大学)、令和3年度 咲くやこの花賞(大阪市)受賞。
    黒や赤のベルベットを支持体に、油彩やアクリルのほかにグリッターやスパンコール、金属粉なども駆使し、「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」を描く。
    2017年五島記念文化賞新人賞を受賞し、2017年秋〜2018年秋の1年間、旧五島記念文化財団の助成によりフランス・パリへ研修滞在。
    2021年から国文学研究資料館「ないじぇる芸術創生ラボ」アーティスト・イン・レジデンスに参加。主な展覧会に2021年「うきよの画家」上野の森美術館ギャラリー、 2022年「市制90周年記念展 わたしたちの絵 時代の自画像」平塚市美術館(神奈川)など国内グループ展多数。

  • ユアサエボシ Ebosi Yuasa

    PROFILE

    1983年千葉県生まれ。2005年東洋大学経済学部卒業。2008年東洋美術学校絵画科卒業。
    大学卒業後就職した会社の倒産をきっかけに、画家になることを決意し、34 歳頃から「大正生まれの架空の三流画家であるユアサヱボシ」という設定で、架空の略歴や綿密な設定の中でシュルレアリスムの影響を受けた表現を行う。
    近年の展覧会に、「VOCA 展 2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─」(上野の森美術館[東京]、2022)、「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.10」(高松市美術館[香川]、2022)、「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」(東京都庭園美術館[東京]、2022)、「still life 静物」(ギャラリー小柳[東京]、2021)等。
    主な受賞に、第10 回絹谷幸二賞(2018)等。


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